• Skip to main content
  • Skip to search
  • Skip to footer
Cadence Home
  • This search text may be transcribed, used, stored, or accessed by our third-party service providers per our Cookie Policy and Privacy Policy.

  1. Blogs
  2. データセンター
  3. DataCenter Designソフトウェアを用いたデータセンターの性能検証
Data Center Japan
Data Center Japan

Community Member

Blog Activity
Options
  • Subscribe by email
  • More
  • Cancel
CFD
ASHRAE compliance
data center
データセンター
DataCenter Design Software
japanese blog

DataCenter Designソフトウェアを用いたデータセンターの性能検証

6 Dec 2023 • Less than one minute read

データセンターは、膨大なデータセットや人工知能(AI)による演算・システムを効率的に処理するために必要不可欠となりました。McKinsey and Company社の最新レポート(外部リンク)によると、米国のハイパースケールやコロケーション、エンタープライズ向けデータセンターの消費電力が2030年までに年間10%ずつ増加すると見込まれています。しかし世界中で気候変動の兆候が顕在化していることから、今後数年で水とエネルギーの消費量を削減し、環境に配慮したデータセンターの運用管理に移行すると予想されています。こうした兆候を無視して、演算や容量確保に必要な電力供給を優先することは、大きな脅威となる可能性があります。そのためサステナブルなデータセンターの運用管理には、環境への影響を軽減しながら効率的にキャパシティ管理ができることが必要不可欠なのです。

データセンター性能評価「Tier」
4つのランクについて

データセンターは、その運用性能と信頼性に基づいて評価されます。ランク付けされたTierの技術的な各評価基準を詳細に把握することで、電力や冷却システム、冗長性、セキュリティ対策など、施設のインフラに関する知識を得ることができます。独立機関であるUptime Institute社(外部リンク)は、サービス提供にかかる費用、アップタイム保証、耐障害性に基づいてデータセンターを国際的に最も低いTier 1から最も高いTier 4のランクで区分しています。

Tier 1 データセンターは、障害発生時のバックアップシステムはなく、電力/冷却経路が1つです。年間稼働率は99.671%です。

Tier 2データセンターは、ある程度のバックアップシステムを備えていますが、電力/冷却経路は1つです。年間稼働率は99.741%です。

Tier 3データセンターは、N+1の可用性を持ったバックアップシステムを備えています。「N」とは、IT負荷全体に対応できるキャパシティを意味し、「+1」は、バックアップする追加コンポーネントを指します。また、複数の電力/冷却経路があります。年間稼働率は99.982%です。

Tier 4データセンターは、IT負荷に対して2倍のキャパシティ(2N)が確保されており、追加のバックアップ(+1)が保証されています。プライマリシステム全体がダウンしても、N+1の冗長性を備えています。年間稼働率は99.995%です。

CFD解析を用いたデータセンター運用管理・設計の検証

さまざまなリスク条件やパラメータを、仮想空間での設計・検証に反映することで、設計に関する最も高いリスクを特定するのに役立ちます。さらに、CFD解析(熱流体解析)を用いることでパフォーマンスに基づいた設計が可能となり、運用設計がシナリオ通りに稼働するか事前に把握できます。

データセンター設計におけるCFDのメリット

3Dモデルの作成:熱気流の検証

仮想空間での設計: 実装前に設計を検証

運用性能の検証: 気流(過冷却、冷気の風量不足、供給流路の確認、排気の再循環、冷気と排気の混合)についての情報を取得

シナリオ解析:実装前にリスクを回避することができ、最適化された設計が可能

設計の効率: 解析後に設計変更が可能

Cadence DataCenter Design Softwareは、データセンターの設計と運用のために設計された業界をリードするCFD解析ツールの1つです。物理的なデータセンターを3Dの仮想空間上で再現し、最先端のCFD解析(熱流体解析)と組み合わせることで、データセンターの耐障害性、物理的なキャパシティ、冷却効率に対する変更の影響を安全にシミュレーションできます。

Larsen and Toubro (以下、L&T)社(外部リンク)は、最近のプロジェクトでCadence DataCenter Design Software Release16.3を利用し、優れた結果を得ました。以下は、L&T社によるデータセンター設計のために実施したシナリオ解析と設計評価の概要です。

図1. データセンターの形状 - 平面図(左)、3Dビュー(右)

データセンターのCFDモデルには、サーバーやキャビネットのレイアウト、設計データも含まれます。シナリオ解析は、データセンターの定常・通常運転、故障モードを評価するために定義されます。冷却の評価には、キャビネット、柱、梁、電源ケーブル、データケーブルなど、すべてのコンポーネントが含まれます。SLAと温度センサーをキャビネットに配置し、施設の温度を精度高く測定します。

シナリオ解析

データホールのシミュレーションでは、以下の解析を想定しています。

  • 定常解析:データホール全体に対し、均一にIT機器の負荷が分布している且つ、電力使用率が100%で、冷却装置が通常運転の場合
  • 停電シナリオ:定常解析と同じ負荷で運用中に、指定された数の冷却装置が停止する場合
  • 非定常解析:
    シナリオI:データホール全体に対し、均一にIT機器の負荷が分布している且つ、電力使用率が100%で、チラー停止後に冷却装置とポンプがUPSを使用している場合
    シナリオII:データホール全体に対し、均一にIT機器の負荷が分布している且つ、電力使用率が100%で、チラー停止後に冷却装置とポンプがUPSを使用しない場合

設計の評価

  • 定常解析

図2. 定常解析におけるデータセンターの運転設計の評価(例. キャビネットの最高入口温度-i)制御あり、漏れあり、ii)制御あり、漏れなし、iii)制御なし、漏れあり、iv)制御なし、漏れなし)

キャビネットに隙間があると、その隙間からホットアイルの熱がIT機器の吸気面に回り込み、が上昇する可能性があります。すべてのキャビネットは、入口温度における最高入口温度の推奨範囲内(18~27℃)にありますが、隙間があると熱の再循環により、制御ありの場合、ASHRAE(外部リンク)のコンプライアンスを満たさないことがあります。しかし、各キャビネット前面に設置したSLA確認用のセンサ(床上0.9mと1.5m)は27℃未満を示しており制御なしの場合、設計要件を満たしています。

  • 停電シナリオ

図3. 空調停止時におけるデータセンターの運用設計の評価(例. キャビネットの最高入口温度-i) 制御あり、漏れあり、ii) 制御あり、漏れなし、iii) 制御なし、漏れあり、iv) 制御なし、漏れなし)

空調停止時におけるデータセンターの運用設計に関するシミュレーション結果は、キャビネットの最高入口温度が「制御あり」の場合と「制御なし」の場合でほぼ同じであることを示しました。漏れは、空調停止時のパフォーマンスに大きな影響を与えることもわかりました。漏れがない理想的なケースでは、シミュレーションの結果、一部のキャビネットを除く全キャビネットの最高入口温度が18~27℃の範囲にあり、これはASHRAEが推奨する温度の範囲内という結果となりました。

また、各キャビネット前面に設置したSLA確認用のセンサ(床上0.9mと1.5m)は27℃未満でした。漏れが発生したケースでは、シミュレーションの結果、半数以上のキャビネットの最高入口温度が27℃を超え、ASHRAEの推奨温度範囲外でした。また、各キャビネット前面に設置したSLA確認用のセンサ(床上0.9mと1.5m)は27℃を超えており、設計要件を満たしていません。

  • 非定常解析

図4. 非定常解析におけるデータセンターの運用設計の評価(例. キャビネットの最高入口温度のピーク値 - i) 制御あり、漏れあり、UPSあり ii) 制御あり、漏電あり、UPSなし iii) 制御なし、漏れあり、UPSあり iv)制御なし、漏れあり、UPSなし)

UPSのようなインフラをバックアップするオブジェクトは、データセンターの冷却性能に大きく影響します。UPSを使用した場合、すべてのケースにおいてSLAに準拠しており、データセンター設計の重要な要素となります。対照的に、制御なしのケースでは、制御ありのケースと比較して、非定常解析時のSLAに違反している時間が大幅に短縮されます。最悪の場合を想定したシナリオIIにおいて、すべての漏れを考慮し、UPSなし、制御ありの場合では、SLAに違反していた時間は295秒で、閾値120秒を上回りました。

しかし、制御なしの場合、最悪の場合を想定したシナリオIIのSLAに違反している時間は90秒であり、閾値120秒を下回っているため、設計要件の許容範囲内です。したがって、チラー停止時には制御を無効にし、ファンと冷却コイルを定格容量で運転させることが推奨されます。

CFD解析の技術を導入することで、データセンターの冷却システムの運用性能を精度高く予測することが可能になりました。このアプローチにより、データセンターのプロジェクトにおいて、さまざまなケースの包括的な設計と性能予測ができるため、信頼性の高い効率的な運用が実現します。Cadence DataCenter Design SoftwareのCFD解析を使用することは、データセンターの冷却設計を評価するための新しい非常に効果的な手法です。


データセンターの運用性能の詳細については、L&T社によるCadenceLIVE India 2023オンデマンド・ビデオ「Use of 6SigmaRoom* for Design of a Large Data Centre」をご覧ください。
*現 DataCenter Design software


この記事に関するお問合せは、cdsj_info@cadence.com までお願いいたします。
Author: Veena Parthan
Translator: Eriko Konda
このブログの英語版こちら

【データセンターブログ 購読の登録方法(無料)】
データセンターブログトップページまたは各ブログ右上の「Subscribe by Email」よりご登録ください。最新記事掲載の通知をお受け取りいただけます。登録方法はこちらからご確認ください。

© 2025 Cadence Design Systems, Inc. All Rights Reserved.

  • Terms of Use
  • Privacy
  • Cookie Policy
  • US Trademarks
  • Do Not Sell or Share My Personal Information