• Skip to main content
  • Skip to search
  • Skip to footer
Cadence Home
  • This search text may be transcribed, used, stored, or accessed by our third-party service providers per our Cookie Policy and Privacy Policy.

  1. Blogs
  2. カスタムIC/ミックスシグナル
  3. 米Broadcom社がSpectre FMCをタイミングばらつき解析に活用
Custom IC Japan
Custom IC Japan

Community Member

Blog Activity
Options
  • Subscribe by email
  • More
  • Cancel
process variations
Spectre FMC Analysis
Monte Carlo analysis
Spectre Fast Monte Carlo
japanese blog
Timing Variation Analysis
Custom IC Design
Non-Gaussian Distribution

米Broadcom社がSpectre FMCをタイミングばらつき解析に活用

12 Feb 2025 • Less than one minute read

最新の超微細加工プロセスにおいて、プロセスのばらつきやデバイスのミスマッチは重大な影響を及ぼします。その複雑さ故に、デバイス製造のばらつきに影響する様々な要因が生まれ、ひいては全体の歩留まりに影響します。モンテカルロ(MC)シミュレーションは、ランダムサンプリングを繰り返すことでプロセスのばらつきを回路の性能と機能に関連付け、それらが歩留まりにどのように影響するかを決定します。しかし、設計空間を隈なく探索しようとすると、必要な信頼水準に到達するまでに膨大な数のMCシミュレーションを実行する必要があります。

チップ上には何十億もの素子があり、プロセスのばらつき、デバイスのミスマッチがある中で、幾十億回統計シミュレーションを実行するなど、検証にこれほど多くの時間を費やす余裕があるでしょうか?

数百万または数十億回もシミュレーションを実行することは、所要時間と計算資源からして、現実的ではありません。そのため、統計的精度の要件を満たしながらスループットを向上させることが強く求められています。Broadcomでは、CadenceのSpectre FMC解析を活用して良い結果が得られ、有意義な生産性の向上を達成しました。さらに、Spectreシミュレーションのマルチプロセッサモードを用いることで、精度を損なうことなく更なる解析時間の短縮を達成できました。このブログでは、Spectre FMCを使用してBroadcomが達成した精度と性能の向上について説明します。以下は、BroadcomチームがCadenceLIVE Silicon Valley 2024にて行ったプレゼンテーションからの抜粋です。

プロセスのばらつきを把握するのが難しいのはなぜか?

半導体ファウンドリは、統計モデルを開発することにより、デバイスレベルのばらつきを正確に捉えています。これにより、ばらつきを考慮した設計手法が可能になり、ランダムなばらつきによる集積回路(IC)の故障の可能性を最小限に抑えることができます。MCシミュレーションでは、これらの統計モデルを利用して最悪のシナリオを特定し、目標の歩留まりを保証します。ただし、チップ上で頻繁に使用され、かつ低い故障率が求められるデザインブロックである標準セル、メモリビットセル、およびADC、DAC、PLL、バンドギャップなどのアナログIPなどのシミュレーションは、特に膨大な計算資源と時間を要します。

シミュレーションツールが進歩し、マルチコアやクラウドコンピューティングなどの大規模計算資源が利用できるようになったものの、計算量の多いMCシミュレーションを実行することは依然として非現実的であり、多くの場合不可能です。これは特に高シグマのMC解析に当てはまります。例えば、6シグマを確認するには25億サンプルというように、高い歩留まりを達成するには10億回を超えるシミュレーションが必要になることがあります。

半導体業界では、より少ないシミュレーションとより少ない時間で歩留まりを正確に見積もり、最悪のシナリオを特定するためにEDAツールが必要です。迅速かつ正確な高シグマMC解析には、最先端のシミュレーション機能を備えた高度なEDA解決策が不可欠です。

解決策: Cadence Spectre FMC解析

上記の課題を克服するために、Cadenceは高性能かつ正確なSPICE回路シミュレーションで業界を牽引するSpectreシミュレーション・プラットフォームの一部として、Spectre FMC解析を開発しました。

AIで強化された技術を使用して以下のことを行います。

  • 統計的精度を損なうことなく、早期かつ迅速に歩留まりを推定
  • 統計的外れ値と最悪のケースのサンプルの検出
  • 総当たりモンテカルロ法よりもはるかに少ないシミュレーションで有用な統計情報を抽出

BroadcomがSpectre FMC解析を採用した動機は何ですか?

Broadcomは、費用対効果の高く、既存のフローと円滑に統合されながら、ばらつきモデルを正確に測定および検証できる解決策を必要としていました。さらに、現在と将来両方の設計要求を満たすスケーラビリティが不可欠でした。BroadcomとCadenceの協業により、彼らのタイミング関連の精度と解析プロジェクトにSpectre FMC解析が採択されました。Broadcomの採択には次のような利点があります。

  • 高シグマでの高い精度
  • 既存のライセンスプールが活用可能
  • コマンドラインインターフェイス(CLI)に優しい
  • 既存のフローやネットリストとの容易な統合
  • 分散処理
  • 容易なスケーリング
  • ばらつき精度の証明

事例研究: 非ガウス分布

Spectre FMCの精度と性能を調査するために、Broadcomチームは厳密にはガウス分布ではない裾の長い事例を提示しました。

彼らは、Spectre FMCがこのような難しい分布を上手く扱っていることを発見しました。総当たりMCとSpectre FMCを比較した性能データは、非常にモチベーションを高めるものでした。

Spectre FMC解析を使用しない場合、処理には1ジョブあたり12時間かかり、合計約245か月のCPU時間と1000のSpectreライセンスが必要でした。Spectre FMCでは、300のSpectreライセンスを使用して、1ジョブあたり平均約0.2時間かかり、合計CPU時間が14か月に短縮できます。Spectre FMC解析により、Broadcomは約1か月でプロジェクトを完了し、能率が大幅に向上したことが実証されました。

Cadence Spectre FMCの利点

Spectre FMCは、Broadcomの既存のフローと円滑に統合されながら、精度と能率を大幅に向上させました。Broadcomは、適切なライセンス条件のもとで運用した場合、1ジョブ・1CPUあたり約60倍という著しい改善を達成しました。ライセンス数を減らしても、その利点は変わらず大きく、能率が最大18倍向上します。Broadcomは、Spectre FMCを使用する主な利点について、その正確な精度と実行時間の大幅な短縮を挙げています。適切なライセンスプールを確保することは重要です。さらに、これはコマンドラインの使いやすさと優れたスケール可能性により、設計空間全体を効率的に探索することに適したものとなります。

さらに詳しく

  • Spectre FMC Analysis
  • Accelerating Monte Carlo Simulations for Faster Statistical Variation Analysis, Debugging, and Signoff of Circuit Functionality

Vinod Khera
Translator: Hyuntae Moon

Cadenceの回路設計製品およびサービスの詳細については、www.cadence.com をご参照ください。

お問い合わせ

ご質問や一般的なフィードバック、または今後のブログ・トピックのご提案は、日本ケイデンス フィールド・マーケティング部 cdsj_info@cadence.com までメールでお問い合わせください。

カスタムIC/ミックスシグナル Blogs 無料定期購読のご案内

新規ブログが公開された際に通知を受け取る方法を、こちらにてご案内しています。是非ご登録ください。