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Spectre Tech Tips: 電熱シミュレーションの紹介

13 May 2021 • Less than one minute read

 集積回路の熱性能を理解することは、回路の誤動作の原因となる過熱を回避するために不可欠でした。集積度が高まるにつれ、オンチップの温度を制限するために、集積回路の消費電力がますます重要になっています。Spectreは、IC設計の熱解析を提供し、IC設計者が熱を考慮した設計を管理し、製品の熱特性を向上させるのを支援します。

例えば、下図のチップデザインでは、温度を監視するためにチップ上に熱センサーを配置しています。しかし、実際のホットスポットは、センサーから少し離れたところにあります。ホットスポットとセンサーが離れているため、両者の熱プロファイルには温度差と熱伝搬遅延が生じます。したがって、回路を過熱から適切に保護するためには、シャットダウン回路は温度差と遅延を考慮する必要があります。温度差と熱伝搬遅延の特性評価には、熱解析を用いることができます。

別の例として、次の図は、チップ上の熱源がその周囲に温度勾配を発生させ、異なる等温線上にあるデバイスは、温度差によって異なる動作をするというフロアプランニングのケースを示しています。したがって、差動ペアのように一致した条件で動作するように設計されているデバイスについては、回路が正しく機能するように、同じ温度の等温線上に配置されていることを確認することが重要です。

Spectreは、電熱コシミュレーションまたは電熱解析を行うことで、IC設計の熱解析を提供します。半導体デバイスの電気的挙動は温度依存性が強いため、正確な電気回路の解析を行うには、下図のように熱解析と電気解析を連携させて行う必要があります:

電気シミュレーションを行って、回路内のデバイスの平均消費電力を算出します。これらの消費電力値は、デバイスの温度を計算する熱シミュレーションの熱源として使用されます。その結果得られたデバイスの温度は、次の電気シミュレーションで使用されるデバイスモデルの更新に使用され、電力と温度の値が落ち着くまで繰り返し行われます。

以下のフローチャートに示すように、Spectreの熱シミュレーションには、以下の入力が必要です:

  • テストベンチとなる入力ネットリスト
  • 熱解析のためにシミュレートされるデザインは、電気モデルと接続に加えて、デバイスの位置と形状の情報を提供するDSPFフォーマットでなければいけません
  • 熱の設定と制御のための熱コンフィギュレーションファイル

熱計算に使用される熱モデルは、ケイデンスのCelsius Thermal Solverによって、ユーザーにとってわかりやすいAPIを通じて提供されています。電気シミュレーションと熱シミュレーションの両方がSpectreで実行されます。そのため、ユーザーはSpectreのユーザーインターフェースのみを操作する必要があります。

Spectre電熱シミュレーションでは、電圧や電流の波形などの通常の電気シミュレーションデータに加えて、デバイスやサーマルグリッド温度などの熱シミュレーション出力データも生成されます。これらのデータは、ケイデンスのVirtuoso/ADEツールで表示することができます。下図をご参照ください:

デバイス温度波形

サーマルグリッド温度のヒートマップ表示

関連リソース

  • Spectre Classic Simulator, Spectre APS, Spectre X, and Spectre XPS User Guide

また、ケイデンスのサポートAEにご相談いただくことも可能です。

ケイデンスの製品とサービスの詳細については、www.cadence.comをご参照ください。

Fred Yang

Translator: Yoko Watanabe

Spectre Tech Tipsについて

Spectre Tech Tipsは、Spectreの機能や可能性を探求することを目的としたブログシリーズです。このシリーズでは、Spectreの有用な機能や改善についての知見を提供することに加えて、Spectreに関連するあらゆることについての知識と経験を共有する、様々なブロガーや専門家の声を届けます。最新のSpectre Tech Tipsの投稿についての通知を受けるには、ページ上部のSubscriptionsフィールドにメールアドレスを入力して、SUBSCRIBE NOWをクリックして下さい。

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