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Spectre Tech Tips: Spectre EMIRの一般的な問題への対処方法

13 Apr 2023 • Less than one minute read

 Voltus-XFiのシミュレーションエンジンであるSpectre EMIRは、IRドロップとEM電流の解析を行うことができます。ユーザーから報告された問題を検証したところ、Spectre EMIRの問題の多くは、適切な準備とセットアップによって回避できることが判明しました。Spectre EMIRユーザーから報告される最も一般的な問題は、イタレーション手法のEMIR結果を、ゴールデンとなるダイレクト手法と比較した際の、IRドロップとEM電流の不正確さです。

多くの場合、これらの精度の問題は、不適切な準備やセットアップの誤りによって引き起こされます。このブログでは、典型的な2つの問題について議論し、それらに対処する方法を説明します。

DSPFネットリストの問題

DSPFは、Spectre EMIRで使用されるレイアウト後のネットリストです。Spectreネットリストからdspf_include文で読み込まれます。多くのケースで、DSPFファイルの内容には、接続の誤り、ネット名またはエレメント名の誤り、内容の欠落、RCとインスタンスセクション間での不一致などの、様々な種類の問題があります。

Cadenceは、Spectreのインストールの一部としてspfchecker ユーティリティを提供しています。新しく作成したDSPFファイルに対しては、常にspfcheckerを実行することを推奨します。

spfchecker test.spf

spfcheckerの実行後、*.chklog ファイル内のMessage Statistics セクションを確認して下さい。エラーメッセージが含まれている場合は、DSPFネットリストに問題があり、抽出時に修正する必要があります。

spfcheckerによって問題が報告されたDSPFファイルを使用して、Spectre EMIRシミュレーションを実行することはナンセンスです。Spectreは、適切でないDSPFが入力ファイルとして使用されると、正確な結果を作成しません。DSPFネットリストの問題への対応方法についてご不明な点がある場合は、Cadenceカスタマーサポートにお問い合わせください。

複数のDC解の問題

Spectre R&Dチームによって評価されたEMIRケースの多くには、複数のDC解が存在していました。これは、選択されたノードに、時間=0において複数の有効なDC解があったことを意味します。私たちは、これらの異なるDC解によって過渡解析の動作が変化し、それによりイタレーション手法とダイレクト手法を比較した際に、IRドロップとEMの結果に違いが生じることを、たびたび確認しています。

ダイレクト手法とイタレーション手法のEMIR解析の間で、DC解の違いを比較したい場合には、Spectreインストールディレクトリに用意されているspwスクリプトを使用します。

spw ic direct.ic iterated.ic -d

以下に示すようなレポートが表示されます。

  

ダイレクト手法とイタレーション手法の間で、ノードa、b、およびcに、大きな値の違いがあることがわかります。ほとんどの場合、これらのノードには複数のDC解が存在し、ユーザーがどちらの解を使用するのかを定義する必要があることを意味しています。

推奨する対応方法は、複数のDC解の問題について設計者と協議し、関連するノードに対してIC文を定義して対処することです。それでも、もし設計者に確認が取れない場合は、ダイレクト手法とイタレーション手法の両方で同じICファイルを使用することもできます。通常、イタレーション手法の解析のためにICファイルを準備します。

tr1 tran stop=100n write=″golden.ic″

その後、このICファイルを、後続のダイレクト手法またはイタレーション手法のシミュレーションで使用します。

tr1 tran stop=100n readic=″golden.ic″

複数のDC解の問題に引き起こされる、不正確なEMIR結果を得られないようにするために、この手法を役立てることができます。

Spectre EMIR解析の最適化

これら2つの一般的なセットアップ問題への対応の他にも、Spectre EMIRユーザー向けの推奨事項が数点あります:

  • time=0でEMIRタイムウィンドウを開始しないようにします。
  • 信号の遷移タイミングを、EMIRタイムウィンドウの開始または終了時間として設定しないようにします。
  • 電源ノードを確認し、それを適切にセットアップします。
  • 非常に大規模な(>1000万ノード)EMIRデザインに対してのみ、イタレーション手法を使用します。
  • 単純化された +emirpreset 使用モデルを使用します。

上記の推奨内容の詳細については、最近公開されたアプリケーションノート Addressing Common Spectre EMIR Problemsに記載されています。

これらのガイダンスに従って議論した問題を回避することによって、Voltus-XFiの中のSpectre EMIRソリューションの性能を早期に確認して使用することができるようになります。

関連リソース

  • Spectre Classic Simulator, Spectre Accelerated Parallel Simulator (APS), and Spectre Extensive Partitioning Simulator (XPS) User Guide
  • Introducing Spectre X (英語版/日本語版)
  • Introducing Spectre X in EMIR Analysis (英語版/日本語版)
  • Introducing Spectre X EMIR Voltus-XFi (英語版/日本語版)
  • Addressing Common Spectre EMIR Problems
  • 日本語プロダクトページ: Spectre日本語資料

また、ケイデンス社のサポートAEに問い合わせることも可能です。

ケイデンス社の回路設計製品およびサービスの詳細については、www.cadence.comをご覧ください。 

Spectre Tech Tipsについて

Spectre Tech Tipsは、Spectreシミュレーション・プラットフォームの機能や可能性を探求することを目的としたブログ・シリーズです。このシリーズでは、Spectreの有用な機能や改善についての知見を提供することに加えて、このプラットフォームに関連するあらゆることについての知識と経験を共有する、様々なブロガーや専門家の声を届けます。

Stefan Wuensche
Translator: Tomomi Hiraishi

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