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Spectre Tech Tips: Spectre Xに移行するには?

9 Nov 2022 • Less than one minute read

 Spectre Xへの移行は、シミュレーションの需要や検証タスクの数が飛躍的に増加している時代に、生産性を向上させるための重要な決断となります。昨今、先端ノード・デバイスの複雑化や1チップに求められる機能の増加により、テストベンチの典型的なサイズは5年前の10倍にもなっています。

生産性の向上は、以前よりも高速に動作し、シミュレーション時間を増やすことなく大規模なテストベンチに使用できるシミュレータが必要であることを意味します。その上、最高のパフォーマンスを得るために微調整を必要とせず、箱から出してすぐに実行できるシミュレータが必要です。検証作業がますます複雑化する中で、さまざまなオプションを試している時間はありません。しかし、新しいシミュレータへの移行には、互換性の問題や、新旧のネットリスト間のオプションのマッピングの問題が発生するリスクがあります。

ここで良いお知らせがあります。Spectre APSからSpectre Xに移行する場合、互換性の問題のリスクを恐れることなく、すべてのオプションを備えたテストベンチを再利用することができます。

Spectre APSとSpectre Xは同じインターフェイスを使用しています。しかし、Spectre APSのネットリストで使用した細かいオプションはどうなるのでしょうか?Spectre X の性能と精度に影響を与えるのでしょうか?これらの質問には後ほどお答えしますが、まずはSpectre APSのerrpresetモードがSpectre Xのpresetモードにどうマッピングされているかを見てみましょう。

Spectre APSには、conservative、moderate、liberalの3つのerrpreset精度モードがあります。Spectre Xには、CX、AX、MX、LX、VXの5つのpresetモードがあります。では、現在お使いのSpectre APSのerrpresetモードをSpectre Xのpresetモードにマッピングするにはどうすればよいのでしょうか。

Spectre APS モード conservative moderate liberal カスタムIC 検証
Spectre X モード
+preset

cx or ax
(start with ax)

ax or mx
(start with mx)
lx or vx
(start with lx)
vx

表1: Spectre APSのモードとSpectre Xのモードのマッピング

Spectre APS moderateをご使用の場合、Spectre XのpresetモードはMXが最適です。LXモードはmoderateモードと比較して十分な精度を持ち、PMICや高電圧回路などの設計でより良い性能を発揮します。

テストベンチがSpectre APS conservativeモードを使用している場合、多くのconservative実行ではそれほど高い精度を必要としないため、Spectre X AXモードから始めるとよいでしょう。AXモードは、moderateモードとconservativeモードの間の精度と性能のギャップを埋めるために導入されました。しかし、AXモードで提供されるものよりも高い精度が必要な場合は、いつでもCXモードに切り替えることができます。

Spectre APSのliberalモードをカスタムICの検証タスクに使用している方に朗報です。Spectre Xでは、特にそのためにVXモードが導入されました。VXモードはliberalモードよりもはるかに優れたパフォーマンスを発揮し、カスタムICの検証タスクによくある大規模なテストベンチでも十分に適しています。

図1: Spectre XモードとSpectre APSモードの性能と精度の比較

シミュレーションに求められる精度は測定に依存し、テストベンチ自体には直接関係しないことに留意してください。つまり、感度の高い信号 (ジッタや高線形性Total Harmonic Distortion (THD)など) を測定する場合は、同じテストベンチをCX presetモードでシミュレートでき、テストベンチ内のサブシステム間の機能や接続をチェックする場合は、VXモードでテストベンチをシミュレートすることができます。

話は戻りますが、ネットリストで既にSpectre APSに使用した微調整オプションについてです。それらはSpectre Xの性能と精度に影響を与えるのでしょうか?Spectre Xは、ネットリスト上でSpectre APSを微調整するために使用されたそのようなオプションを、デフォルトですべて無視します。このようなオプションはログファイルに報告されます。このように、Spectre Xは、これらのオプションを気にすることなく、従来のテストベンチを使用することができます。また、約束されたとおりのアウト・オブ・ボックスの性能を得ることができます。

これは、これらのオプションがSpectre Xで使用されなくなったことを意味するのでしょうか?答えはノーです。ただし、ネットリスト上でこれらのオプションを使用するには、以下のコマンドライン引数を追加する必要があります:

-preset_override=<names of the netlist options>

例えば、デフォルトでは、Spectre Xはmaxstepというオプションを無視します。しかし、テストベンチで特定の理由で使用したい場合は、Spectreのコマンドラインに次の引数を追加する必要があります:

-preset_override=maxstep

ポストレイアウトのテストベンチはどうでしょうか?ここにも朗報があります。Spectre Xは、デフォルトでポストレイアウト回路を認識し、使用中のpresetモードに基づいた寄生素子最適化アルゴリズムを適用します。このため、Spectre Xの各presetモードでは、CX presetモードでは非常に保守的に、VX presetモードでは非常に緩やかにと、寄生素子最適化のアグレッシブさが決まっています。ただし、寄生素子最適化のレベルを手動で制御したい場合は、コマンドライン引数+postlpreset=<mode>にoff、cx、ax、mx、lx、およびvxのいずれかの値を指定します。

Spectre Xのシンプルなユースモデルにより、Spectre APSからリスクなく移行し、Spectre Xがすぐに最高のパフォーマンスを発揮している間は、テストベンチや検証作業に集中することができます。

Moustafa Mohamed
Translator: Yoko Watanabe

関連リソース

  • Spectre Classic Simulator, Spectre Accelerated Parallel Simulator (APS), and Spectre Extensive Partitioning Simulator (XPS) User Guide
  • Introducing Spectre X (英語版/日本語版)
  • Getting the Most out of Spectre X (英語版/日本語版)
  • Spectre日本語資料

また、ケイデンスのサポートAEに連絡して、ガイドを受けることもできます。

ケイデンスの製品とサービスに関する更なる情報をお求めの場合は、www.cadence.com を訪れてください。

Spectre Tech Tipsについて

Spectre Tech Tipsは、Spectreシミュレーション・プラットフォームの機能や可能性を探求することを目的としたブログ・シリーズです。このシリーズでは、Spectreの有用な機能や改善についての知見を提供することに加えて、このプラットフォームに関連するあらゆることについての知識と経験を共有する、様々なブロガーや専門家の声を届けます。

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