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26 Jan 2021
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Start Your Engines: Real NumberからElectricalへの変換のためのミックスシグナル・モデリングのベストプラクティス

 Cadence® Spectre® AMS Designer は、高いパフォーマンスのミックスシグナル・シミュレーション・システムです。複数エンジンの使用や、さまざまなプラットフォームから実行できる機能により、ミックスシグナル・デザイン検証を「活性化」し、市場競争でチェッカーフラッグを受けることができます。Start Your Enginesブログ・シリーズは、シミュレーションのパフォーマンスをチューンアップし、生産性向上に役立つヒントと洞察を提供します。

Bonjour!

前回の投稿では、electrical信号からreal numberに変換する3つの方法を説明しました。この投稿では、デザインでreal numberからelectrical信号に変換する方法を説明します。

Verilog-AMS標準言語を使ってそのような動作記述モデルを作成する方法の説明から始めましょう。その後3つの方法を示し、それらを比較します。比較を見ることで、みなさんのアプリケーションに最も適した方法を選択できるようになるでしょう。

real numberの離散信号からelectrical (R2E) への変換を必要とする、以下に示したモデルのシンボルについて検討しましょう。

このモデルにR2E_convという名前を付けました。これは以下のものを持ちます:

  • rという名前のひとつのRNM入力
  • eという名前のひとつのelectrical出力

3つの方法 (#1, #2, #3) は、以下の3つの共通パラメータを持ちます:

  • td: 入力離散値の変化からelectrical出力の変化までの遅延時間
  • tr: 離散のr値がポジティブ・エッジである場合の、2つの隣接したelectrical値間の立ち上がり時間
  • tf: 離散のr値がネガティブ・エッジである場合の、2つの隣接したelectrical値間の立ち下がり時間

方法#1 : R2EモデルでRNMイベントをElectrical電圧制御源に直接変換

最初の方法では、イベント・ソルバで計算されるr入力信号のポジティブまたはネガティブ・エッジで、直接R2E変換を実行します。この方法は、離散のr入力とelectrical出力eの間でユニティゲインを持つ線形バッファになり得ます。

ポートとパラメータ宣言の後で、動作記述モデルは3つのブロックを使って記述されています。

  • 最初のブロックはinitialブロックで、イベント・ソルバのtime=0sでのみ実行されます。この内部のreal変数e_valは、rという名前のwrealポートでプローブされた値に初期化されます。
  • 2番目のブロックはイベント・ソルバで計算されるalwaysブロックです。これは、wrealのr入力のイベントをモニタし検出するので特に重要です。r入力で検出されたポジティブ・エッジまたはネガティブ・エッジにおいて、real変数e_valはrポートでプローブされたreal値に更新されます。
  • 最後はelectricalソルバで計算されるanalogブロックで、electricalポートeとelectricalソルバの暗黙的なグラウンド間に電圧制御源を生成します。

Verilog-AMSは、強力な遷移 (transition) フィルタを提供します。区分的な離散信号を遅延させ平滑化することができます。これを使って、electrical出力の伝搬遅延と立ち上がり時間および立下り時間の遷移を再現します。

analogブロックの実装に関して、注意すべき2つのポイントがあります:

  1. transition関数は非常に重要です。それは、イベント・ソルバとelectricalソルバを暗黙的に同期します。デジタル変数e_valの値が更新されるたびに遷移フィルタはD2Aイベント同期を生成し、正確な立ち上がりと立下り時間の遷移を得るためにelectricalソルバにブレークポイントを強制します。
  2. electricalポートeとelectricalソルバのグラウンド間に理想電圧制御源を作成しました。この電源は直列抵抗を持たないので、非常に大きな電流値をもたらす可能性があります。次のモデルでこれを改善します。

この方法は以下の波形をプロットします:

ここで、

  • 赤色は、正弦波である離散wrealのr入力を表します。振幅値は1ボルトで、1周期あたり400の離散サンプルが計算されます。
  • 黄色は、R2E変換の結果であるV(e) の波形を表します。

遷移フィルタを使ったこのR2E変換は、e_val値の変化間の立ち上がりと立下り時間が正確なelectrical変換を実行するために、400のD2Aイベント同期と3194のブレークポイントを生成し強制します。

方法#2 : R2EモデルでRNMイベントをElectricalノートン・モデルに直接変換

SPICEソルバは修正節点解析を基にしています。それは、テブナン・モデルよりもノートン・モデルを高速に計算することができます。

この方法では、デフォルト値200オームのroutという名前の新しいパラメータを追加しました。

ここで、electricalソルバでノートン・モデルを作成します。electricalポートeと暗黙的なelectricalソルバのグラウンド間に電流ブランチが作成されることがわかります。

この方法は以下の波形をプロットします:

ここで再度、

  • 赤色は、正弦波である離散wrealのr入力を表します。振幅値は1ボルトで、1周期あたり400の離散サンプルが計算されます。
  • 黄色は、R2E変換の結果であるV(e) の波形を表します。

遷移フィルタを使ったこのR2E変換は、各e_val値の変化間の立ち上がり時間と立下り時間が正確なelectrical変換を実行するために、400のD2Aイベント同期と3194のブレークポイントを生成し強制します。

方法#3 : 入力ノイズのフィルタリングを持つR2EモデルでRNMイベントをElectricalノートン・モデルに直接変換

最後の方法では、入力信号rにノイズが乗っている場合のフィルタリング方法を説明します。

R2Eの方法#2は、ポジティブまたはネガティブ・エッジでの直接変換を提供しました。遷移フィルタは、正確な立ち上がりと立下り時間のためにelectricalソルバにブレークポイントを強制します。real信号rにノイズがあると、テストベンチのシミュレーションが遅くなります。それを回避するために、入力ノイズのフィルタリングを導入します。rが絶対値rdeltaより大きく変化した場合のみ、相対的な前のイベントe_valが更新されます。このフィルタリングは、三項演算子を使ってalwaysブロック内で実行されます。

この方法は以下の波形をプロットします:

ここで、

  • 赤色は、正弦波である離散wrealのr入力を表します。振幅値は1ボルトで、1周期あたり400の離散サンプルが計算されます。
  • 黄色は、rdelta=0.2を使ったR2E変換の結果であるV(e) の波形を表します。

入力ノイズのフィルタリングrdelta=0.2を使ったこのR2E変換は、各e_val値の変化間の立ち上がり時間と立下り時間が正確なelectrical変換を実行するために、16のD2A同期イベントとelectricalソルバの210のタイムステップだけを生成し強制します。

よくある間違い

  • 間違い#1: analogブロックで遷移フィルタを使わずに以下のように記述しています。
    analog V(e)<+ e_val;
    そのようなモデルはランダムなふるまいを示します:
    • シミュレーションの停止時刻を変更したときに、異なる動作を観測する可能性があります。
    • Electricalソルバがいくつかのe_valの変化を無視するかもしれません。
  • 間違い#2: routパラメータに大きな値を定義しています。
  • 間違い#3: 方法#3で、モデルに必要な精度の大きさを超えたrdeltaを定義しています。たとえば入力信号の振幅が1ボルトでrdelta=0.7の場合、この値はrdeltaには大きすぎます。

方法の比較

  • 方法#1: electricalで直列抵抗を持たない理想電圧源を定義するときに、この方法にはデメリットがあります。この電圧源はメガ・アンペアの電流をもたらすかもしれません。そのようなシナリオでは、この方法は現実的ではなく理想的すぎる可能性があります。
  • 方法#2: この方法では、r信号のポジティブまたはネガティブ・エッジがミックスシグナル・シミュレーションのD2Aイベントを生成します。離散信号rにノイズが乗っている場合には、electricalソルバで多くのブレークポイントが生成されます。そのような場合には、この変換は効率的ではないかもしれません。このモデルは、routに等しいノートン出力インピーダンスを与えます。
  • 方法#3: この方法は、離散入力rでrdelta以上の変化が見られた場合にのみelectrical変換をトリガします。この変換は、ノイズのある入力に対して効果的かもしれません。エンジニアは、もっとも大きなrdeltaを定義するために、アプリケーションに必要な精度についての明確な考えを持つ必要があります。このモデルは、routに等しいノートン出力インピーダンスを与えます。方法#3で説明したrdelta=0.2の例では、方法#2と比べてシミュレーションは11倍高速でした。これは、デジタルとelectricalソルバ間のA2D同期イベントがより少なく、electricalソルバのブレークポイントがより少ないためです。

結論

ノイズの乗った信号に対して高速であるというメリットがあるため、通常、ミックスドシグナルエンジニアは方法#3を好むでしょう。R2E変換は、wreal信号rの変化がrdelta値より大きい場合にのみイベント・ソルバとelectricalソルバ間にD2Aイベントを生成します。rdeltaは、アナログ・デジタル・コンバータのLSB (Least Significant Bit) のようなものと考えることができます。R2Eコネクトモジュールでも同じような方法を使用することができます。

ここで紹介したコンセプトは、Xceliumに同梱されたCadence Verilog-AMSまたはSystemVerilog-AMSコンパイラを使ってコネクトモジュールを作成するときに再利用することができます。

Spectre AMS DesignerとVerilog-AMSまたはSystemVerilog-AMSによるR2E変換のモデリングが満足できるものになることを願っています。

これからの休暇シーズンに向けてみなさんのご多幸をお祈りします。Happy new year-2021!

~ Andre Baguenier

Translator: Haruko Tadokoro

関連リソース

  • One-Stop Knowledge Resource for Mixed Signal Verification
  • AMS Designer Product Page
  • AMS Designer日本語資料

Cadenceの回路設計プロダクトとサービスの詳細については、www.cadence.comをご参照ください。

Start Your Enginesについて

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