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CFD
Cascade

15年にわたる信頼:HondaとCadence、そしてCFDの未来

24 Sep 2026 • Less than one minute read

研究成果を、エンジニアが実際の開発で安心して使えるシミュレーション技術へと発展させるには、何が必要なのでしょうか?
HondaとCadenceの一員であるCascade Technologiesチームにとって、その答えは、アルゴリズム、高忠実度シミュレーション、あるいはコンピューティング能力だけにとどまるものではありませんでした。
最終的に必要だったのは、15年にわたる協業、実験、厳密な検証、そして何よりも信頼でした。

このほどHonda統合センター(HGR)は、HGRの最高執行責任者(COO)である小川 厚 氏、Hondaの空力エンジニアである安保 慧 氏、Fidelity Charles R&Dのソフトウェアエンジニアリング・グループ・ディレクターであるGuillaume Brès、そしてFidelity Charles R&DのフェローであるFrank Hamを取り上げた、全2回のブログシリーズを公開しました。この全2回のシリーズでは、HondaとCadenceの長年にわたる協業の舞台裏と、スタンフォード大学で生まれた数値流体力学(CFD)の研究を、実際の車両開発に影響を与えるテクノロジーへと発展させてきた道のりを紹介します。

シリーズの前編では、Cascade Technologiesがまだ設立間もない企業として、スタンフォード大学の研究を産業用途へ応用することに取り組んでいた2011年までさかのぼり、その歩みをたどります。

HondaはCascade Technologiesチームのテクノロジーの可能性を認める一方で、ある課題を提示しました。実験データと高い相関性を持つ結果を示しながら、自動車開発に求められる精度と再現性を実現できるのか、という課題です。

その後の歩みは、単にCFDソルバーを改良するだけにとどまるものではありませんでした。レーシングカーの空力解析から量産車へ、ソルバーやメッシュの開発から回転ホイール機能へ、そして最終的にはGPUアクセラレーションへと、HondaとCadenceは、どちらか一方だけでは解決できなかった課題に取り組むため、緊密に連携してきました。

この協業がいかに意欲的な取り組みであったかを特によく表しているのが、CFDの誤差を約3%から0.1%レベルまで低減するという目標です。
これは、シミュレーションを物理試験のより強力な補完手段とするために必要な精度です。

このストーリーを特に印象的なものにしているのは、その進展がどのように実現していったかという点です。HondaはCadenceに対して従来の前提を見直すよう求め、一方でCadenceはHondaに新たなアプローチを模索するよう促しました。
両社のエンジニアは何週間も共に作業し、シミュレーションを実行して結果を検証し、条件を変更しながら、試行錯誤を重ねました。Part1で表現されているように、両社はまさに「同じボードの上に立ち、同じ課題に向き合っていた」のです。



その基盤の上に、後編では、焦点を精度の達成からHondaの開発プロセスの変革へと広げています。CFDの信頼性を高めるという共通の目標から始まったこの協業は、GPUアクセラレーションへと発展し、高忠実度シミュレーションをより高速で、スケーラブルかつ実際のエンジニアリングでより実用的なものにしました。そして最終的には、このテクノロジーがまったく新しい分野へと広がる道を切り開きました。

また、後編ではこの協業が、精度(accuracy)、自動化(automation)、高速化(acceleration)という、相互に関連する3つの優先事項を通じて、どのように発展してきたかについても紹介しています。これらの「3つのA」は、HondaとCadenceが、シミュレーションの忠実度向上から、複雑なCFDワークフローをより高速化し、開発サイクル全体でより活用しやすいものにするまで、どのように発展させてきたかを示しています。

その効果がよくわかる例の一つが、回転ホイールを含むシミュレーションです。以前はCPUで約30時間かかっていたシミュレーションが、16基のGPUを使用することで約3時間に短縮されました。この変化は、単に速度の向上だけを意味するものではありません。Hondaのエンジニアリングプロセスにおいて、実現可能なことそのものを変えたのです。

 15年後、流れを解き明かすことから始まった協業は、今、新たな世界をつなぎつつあります。かつては別々の領域だった流体シミュレーションとチップ設計が、今や融合し始めています。

CFD、自動車の空力、GPUアクセラレーションによるシミュレーション、あるいは画期的な研究をエンジニアが信頼して活用できるテクノロジーへと発展させるプロセスに関心がある方は是非このストーリーをご覧ください。

→ 流れを解き、絆を結ぶ【前編】─ Stanford発のCFDを、Hondaの“信じられる技術”にした15年

→ 流れを解き、絆を結ぶ【後編】─ 空力から、その先へ。磨いた技術が、Hondaを加速させる

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