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Community Blogs CFD(数値流体力学) > 低圧蒸気タービンの機械学習による最適化
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低圧蒸気タービンの機械学習による最適化

21 Aug 2023 • Less than one minute read
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大規模な言語モデルがAI/機械学習の一面を飾るニュースとなっていますが、多くの計算技術と同様に、CFD業界も長い間この分野で新境地を開拓しており、Cadence Fidelity CFDソフトウェアはその成果の一つです。しかし、インターネットから取得したJPEGやテキストの断片を処理するのとは異なり、CFDの計算には何時間もかかることがあるため、機械学習アルゴリズムは、できるだけ少ない入力で結果を出す必要があります。それでも、最適な設計を見つけるための自動化されたAI/機械学習プロセスは、手作業で全てを行うよりも桁違いに高速です。

自動化された設計最適化は、CADモデルや流れ条件を手作業で少しずつ修正する手間のかかるプロセスに取って代わるものです。他のテクノロジーと同様、エンジニアに取って代わるのではなく、エンジニアを他の仕事に専念させるのです。この場合、設計エンジニアは、シミュレーションの設定と実行でなく、設計空間の理解と分析に注力することができます。CFDの計算には非常に時間がかかるため、最適解にいち早く到達する設計空間探索手法の開発は、自動化された設計最適化をターボ機械の部品の設計に適用するために不可欠です。本稿では、Fidelity Fine TurboおよびFidelity Fine Design3Dを使用して、低圧(LP)蒸気タービンの流路を最適化した事例を紹介します。

この最適化プロジェクトの目標は、新しい設計で流路を改良し、システムの出力を向上させることです。従来の機械を新しい力で駆動するように改造するというシナリオであるため、元の機械の形状は、新しい設計で尊重しなければならない制約があります。したがって、静翼のキャビティ、ベアリング、ノズルベーンは固定され、ホイールベーンと動翼の先端リークキャビティが最適化の対象となります。

設計空間の概要
CadenceのFidelityには、Concepts NREC社とのパートナーシップによる設計ツール、Fine Agileが含まれています。Fine Agileは、ターボ機械の設計、解析、形状生成ツールです。Fine Agileを使用すると、設計空間を適切にパラメータ化し、制約を課すことができます。表1に先端リークキャビティのパラメータ化方法を、表2に翼形状の値を示します。合計で8つのパラメータが最適化の実行中に調整されます。

キャビティ設計パラメータ 許容範囲
1 ラビリンスシール歯の上端幅 2-5 mm
2 ラビリンスシール歯の非対称性 0-1
3 ラビリンスシール歯の軸方向オフセット ±5 mm

表1:キャビティの設計空間

キャビティ設計パラメータ 許容範囲
1 ラビリンスシール歯の上端幅 2-5 mm
2 ラビリンスシール歯の非対称性 0-1
3 ラビリンスシール歯の軸方向オフセット ±5 mm

表2:翼の設計空間

Fidelity Fine Design3Dは高度な機械学習カーネルに基づいており、定義された制約の範囲内で最適となるように、最初の実験計画(DoE)の実行に基づいてサロゲートモデルを駆動する進化的アルゴリズムを使用しています。まず、与えられた8つのパラメータを使用して完全なCFDシミュレーションを実行し、設計空間にいくつかの設計点を入力することで、DoEを実行します。サロゲートモデルは、これらのポイントに適合する応答曲面として定義されます。その後、Fine Design3Dは、この空間をインテリジェントに探索し、入力パラメータを変化させて追加のシミュレーションを実行し、モデルを更新して、最適な形状が得られるまで繰り返して改良します。

初期解を生成するために、ベストプラクティスに基づいたCFDシミュレーションを設定しました。単一流路に1.8Mセルの低レイノルズ数メッシュを作成し、Fine Turboを使用してシミュレーションを実行しました。流体には水蒸気を使用し、定常解の生成には Spalart-Allmaras乱流モデルを採用しました。シミュレーションに使用したパラメータを表3に示します。

図1:シミュレーションの初期形状

乱流モデル Spalart-Allmaras
CFL 3
流体 水蒸気(熱力学テーブル)
初期解 For turbomachinery + techno effects
入口境界条件 Total pressure and enthalpy imposed, flow is normal to the inlet
壁面境界条件

Rotor - Rotation speed and adiabatic (3000rpm)

Stator - Static and adiabatic

出口境界条件 Static pressure (radial equilibrium)
時間設定 定常
R/S Full non-matching mixing plane
出力する物理量 力、軸推力、質量流量、(収束)

表3:シミュレーションパラメータ

LPタービン翼列の設計空間は12次元です。表2と表3に示す8つの入力があり、力、軸推力、 質量流量の3つの出力があります。さらに、CFDシミュレーショ ンの収束性も考慮しなければなりません。最初のDoEの実行では、20セットの入力パラメータを使用し、空間に妥当な初期母集団を得ることができました。また、DoEの分散分析(ANOVA)により、3つの出力がそれぞれ異なる入力に対して影響を受けやすいことが示されました。力はシュラウド出口角度の影響を最も受け、軸推力はハブ出口角度の影響を最も受け、質量流量はハブ出口角度とシュラウド入口角度の影響をほぼ等しく受けました。したがって、後者2つが最も影響力のあるパラメータです。

モデルの評価
サロゲートモデルのロバスト性を評価するために、Leave-one-out解析を実施しました。19個のサンプルで生成されたモデルは、20個のサンプル全てで生成されたモデルと有意な差はないはずであるため、19個の要素のサブセットを全て使用してモデルを再生成し、フルモデルに対する縮小モデルの相関を計算します。全体的に、相関係数は次のように計算されました。

軸推力 0.987
質量流量 0.964
力 0.669

0.6を超える相関係数は、このモデルがデータによく適合し、自動最適化の基盤として十分な解像度を持つことを示しています。

DoE空間を可視化することは、この最適化プロジェクトが妥当かどうかを検討する上で重要です。最終的に、出力にほとんど影響を与えないパラメータを変化させることにしたのであれば、現存する最も洗練されたAI/MLカーネルでいくら加速しても、有用な結果を導き出すことはできません。しかし、12次元のプロットを描くことは不可能です。ただし、どのような空間に対しても、等高線プロットやヒートマップを作成するためのマッピングを見つけることができます。自己組織化マップは、そのようなマッピングを見つけるために教師なし機械学習を使用する方法であり、空間のトポロジーが視覚的に直感的であるように、入力がマッピングされ、類似したパラメータを持つ実験セットが一緒にクラスタ化されることを保証します。自己組織化マップの縦軸と横軸は無意味であることに注意して下さい。これらのマップは、単に相関関係を定性的に判断することを可能にするものです。

軸方向オフセット(AXIAL_OFFSET)、力(Restart_U_POWER)、シュラウド出口角度(SHROUD_EXITANGLE)の自己組織化マップが図2に示されています。ここでわかるのは、力とシュラウド出口角度には相関があり、高いバンドと低いバンドはほぼ同じ形状を辿りますが、軸方向オフセットのバンドにはまったく相関がないということです。

図2:軸方向オフセット、力、シュラウド出口角度の自己組織化マップ。重なり合う赤色の領域は、力と出口角度が強く相関していることを示す

設計空間が合理的であることを確認した後、サロゲートモデルを使用して最適化を進め、さらにCFDを実行します。各CFDにかかる時間は約45 分であるため、フルCFDの使用は最小限に抑えられています。まず、計算コストの低いサロゲートモデルを使用して内部最適化サイクルを実行し、設計制約を考慮しながら最適な出力を求めます。その結果、新たな候補が特定されます。次に、その候補に対してCFDが実行され、サロゲートモデルが更新されます。このプロセスは、収束するまで実行されます。設計を完全に最適化するためには、22回のCFDが必要で、このプロセスは24時間以内に完了しました。

図3:力の最適化

結果、まとめ、結論
最適化された設計は、元の設計と比較してほぼ1%の出力改善を実現しました。図4は、この改善が主に動翼の吸引側における剥離流れの領域を減少させることによってもたらされることを示しています。

図4:新しい設計のマッハ数のカラーコンター

Cadence Fidelityソフトウェアは、厳しい設計制約の下で低圧蒸気タービンの流路を設計し、最適化するために使用されました。Fine Agile、Fine Turbo、Fine Design3Dの全てを併用して設計を自動最適化した結果、以前の設計に比べて出力が約1%向上しました。Fine Design3D環境内のデータ分析ツール、特に自己組織化マップによって、設計空間が有用な最適値を見つけるために、適切にパラメータ化されていることを検証できることが証明されました。サロゲートモデリングとCFDベースの更新を適宜組み合わせることで、24時間以内に最適な解を生成できることが証明されました。


詳細については、オンデマンドウェビナー"Create Better Designs Faster with Data Analysis for CFD"をご覧ください。

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この記事に関するお問合せは、cdsj_info@cadence.com までお願いいたします。

Author: JoshuaS

Translator: Daishi Ishii

このブログの英語版はこちらより

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