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CFD解析によるクワッドコプター・ドローンの飛行時間・飛行距離の延長

13 Mar 2023 • Less than one minute read

ドローン設計のためのCFDについてもっと知りたいですか?このウェビナーに登録してください。

空中ドローンには、垂直離着陸が可能な回転翼機(VTOL)と固定翼機の2つの主要カテゴリがあります。回転翼機のドローンは、ホバリング(高度を一定に保つこと)が可能で、一般的に制御や操作が容易であるため、固定翼機に比べて本質的な利点があります。しかし、マルチコプターにも欠点があり、最も重大なのは、飛行時間と航続距離が限られていることです。最新の革新的な電動ドローンでさえ、飛行時間には限りがあり、飛行条件にもよりますが、20~30分程度です。ハイエンドクラスでも、1時間近い飛行時間に達するものはほとんどありません。

数値流体力学(CFD)を活用することで、ドローンの効率を大幅に向上させ、飛行時間と航続距離を延ばすことができます。この記事では、この種のドローンで最もエネルギーを消費するホバーモードでの産業用ドローンの空力解析と最適化という例を通して、その方法を紹介します。

クアッドコプターのジオメトリ
現在最も広く使われている回転翼式ドローンの構成の一つであるクアッドコプターを扱います。民間の消費者向けドローンメーカー(アマチュアビデオ撮影、レース用ドローン、子供用ドローンなど)は、主にこのタイプの構成になっています。

ドローンのCADファイルは、西イングランド大学のMonasor氏とWeerasinghe氏から提供

プロペラ翼は、必要な推力を考慮して、Fidelityのパラメトリックモデラーでモデル化されました。元の形状から複数のセクションを抽出し、それらを積み重ねて3Dブレードを構築しました。パラメータ化された翼が元の形状にできるだけ近くなるように、適切なねじれ分布が設定されました。

この問題では、ドローンの形状が対称であることから、計算領域に含める必要があるのはドローンの4分の1、つまり腕1本です。

計算領域は、地上効果を無視できるほど高い高度でホバリングする「フリーエア」解析に対応する、実用的なケースを想定して設定しました。

構造格子と非構造格子の組み合わせ
ドローンの領域は複雑であるため、非構造格子は、高曲率領域やエッジ付近のメッシュを自動的に生成するFidelity Automeshで生成し、ユーザーによる操作とエンジニアリング時間を最小化しました。これにより、最適化に使用するのに十分なロバスト性を持つ高品質なメッシュを作成することができます。

プロペラ翼については、Fidelityのウィザード型アプローチを用いてマルチブロック構造格子を生成しました。このアプローチでは、複数のグリッドレベルを持つ高品質の構造格子を非常に容易かつ高速に生成することができます。可変の先端ギャップが適用され、2つの周期面間の一致周期接続は自動的に計算されます。この一致接続は、1枚の翼のメッシュを作成するだけで十分なことと相まって、セル数を2倍削減し、シミュレーション速度を向上させることに繋がりました。

Fidelity Automeshでは、構造格子と非構造格子を組み合わせて同じ計算で実行できるため、ユーザーはソルバー設定を調整することなく、構造格子の生成速度と非構造格子のロバスト性の両方のメリットを享受することができます。これにより、RAMやディスクの消費量も抑えることができます。

クアッドコプターの機体周りの回転ブロック(灰色)とボリュームメッシュ

定常・非定常CFD解析
Fidelity Flowでは、定常解析と非定常解析の両方を実行することができます。プロペラは5,000RPMで回転するように設定し、ドローンアームは静止させます。流れの中の乱流を予測するために、Spalart-Allmarasモデルを使用しました。定常解析では、ミキシングプレーンインターフェースを使用しました。非定常の非線形調和(NLH)解析には、フーリエ分解に基づく特定の処理を適用し、ミキシングプレーン法に近い計算コストでドメインスケーリングを実現しました。

NLH法は、ドメインスケーリングやphase-lagged法よりもかなり少ない制約で非定常流れの結果を得ることができます。今回のプロジェクトでは、領域内の非定常摂動を捉えるために、領域ごとに1つのハーモニクスを追加しました。

シミュレーションの結果、流れ場に強い非定常性があることが判明しました。機体上の圧力分布はプロペラの瞬時位置に大きく影響され、ドローン周囲の速度場は、動翼の回転に関連した強い周期的振動を受けることが示されました。

  

カラーコンター -左:定常(ミキシングプレーン)法による軸方向速度の平均値、右:非定常(NLH)法による軸方向速度の瞬時値

結果を比較すると、定常解析では平均的な流れ場をよく表現できますが、NLH解析だけは流れ場の非定常性に関する正確な情報を示し、定常解析と同等のコストで、非定常流れの物理的特徴、翼や機体への負荷、翼先端の渦やブラフボディの再循環ダイナミクスなどの、貴重なデータを獲得できることが分かります。

ドローン設計の最適化
Fidelityでは、設計のパラメータ化と最適化のための複数の手法が使用できます。使用可能な最適化手法は、単一目的の最適化から、運用や製造の不確実性を考慮した多目的・ロバスト設計最適化(RDO)まで多岐に渡ります。ドローン最適化プロセスでは、これらすべての手法が有用です。最終的な手法の選択は、主に予想される運用形態に依存します。

下の画像は、ジオメトリパラメータ化の例です。プロペラの形状はCADモデルレベルでパラメータ化され、スパン方向の3つのセクションにおける迎え角が設計変数として取り込まれました。各ジオメトリは、Fidelity Automeshで自動的に再メッシュ化されました。ドローンのアームは3つのモーフィングベクトルを使ってパラメータ化され、モーフィングによってドローンの形状を最適化しながら、実現可能な設計を保証するために適用された複数の制約を満たすことができました。

ケイデンスの最適化ルーチンは、ドローンのような複雑なマルチコンポーネントシステムにおいて、勾配ベースの最適化よりもはるかに効率的な勾配なしアルゴリズムに基づいています。最適化プロセスは、内蔵のサロゲートモデルや人工ニューラルネットワークにより、飛躍的なスピードアップを実現しています。進化的・遺伝的アルゴリズムにより、飛行時間の最大化など、定義された目的に対して最適な収束解を得ることができます。このようなアルゴリズムの実用化により、斬新で革新的な、時には予想外の最適なシステム設計が可能になることが確認された。

概要
この事例は、ドローンCFDシミュレーションにおけるFidelityの強力な機能を実証しています。構造化・非構造格子のシームレスな組み合わせ、NLHによる高速・高精度な非定常解析、効率的な進化型アルゴリズム、パラメータ化、モーフィングに基づく完全自動の最適化ツールにより、高速かつ堅牢なワークフローと定義した目的(飛行時間と飛行距離の最大化)に最適な設計結果を実現します。

この記事に関するお問合せは、cdsj_info@cadence.com までお願いいたします。

Author:AnneMarie CFD

Translator: Daishi Ishii

このブログの英語版はこちらより

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