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Illinois Blowerは流体シミュレーションによってファンの性能を44%改善

30 Mar 2022 • Less than one minute read

石油化学およびその他の産業では、空気の換気や500°C以上の有害な塩化物ガスの処理のためにファンを使用しています。これらのファンの最大運転回転速度は業界標準によって管理され、しばしば制限されています。この制限により、ファンメーカーは所望の圧力出力を得るために、インペラの直径を調整することを余儀なくされます。エンジニアは、結果として得られる設計が特大サイズになったり、重くなったり、製造、試験、輸送にコストがかかったりすることを回避しなければなりません。

イリノイ州ケーリーに拠点を置くIllinois Blower社はNUMECAと共同で羽根車の回転数と直径を維持しながら、より高い圧力とファン効率の向上を達成することで、このジレンマを解消する設計アプローチに取り組んできました。Illinois Blower社は、40年以上にわたり、製油所や石油化学発電、公害防止、製薬、食品加工など、世界各地のさまざまな産業向けにカスタマイズされた遠心ファンとブロワーの開発・製造に成功してきました。目標は、ファンのステージ(ホイールとボリュート)全体の圧力比を、その性能ライン全体にわたって高めることでした。製造上の制約から、インペラの周りのソリッドボディの厚さを維持する必要があり、翼は製造が容易な形状である必要がありました。

このインペラの最適化に加えて、エンジニアは出口パイプの圧力損失を低減するために、流れの状態をより正確に把握したいと考えていました。

FIGURE 1 : 最適化対象の産業用ファンのプロペラおよびボリュートとHexpressTmで作成したサーフェスメッシュ

方法

まず、NUMECAの非構造格子メッシャーを含むCFDソルバーパッケージであるFINETm/Open を用いて、チョークからストールまでの一連のシミュレーションを実行し、その結果を実験データと比較することで、CFDおよび設定の信頼性を確認しました。

高速なメッシュ生成


HexpressTmを使用して、ボリュートとインペラの詳細を捉え、境界層を持つ7.5M節点のメッシュを生成しました。性能曲線の定常計算を実行するには、インペラの1つの流路のみをメッシングすれば十分です。各計算には96コアを使用し、1時間以内で完全に収束に達しました。

FIGURE 2 : 全てのデータベースおよび最適化サンプルの目的値に対する散布図(最適なサンプルを星印で表示)(左上)自己組織化マップによるパラメータ間の相関性と反相関性(右上)ANOVAによる各入力パラメータの結果への寄与の表示(下)The Leave-One-Out (LOO)プロットによるモデルの信頼性の表示(右下)

最適化その1:性能に影響を与えるパラメータを特定

まず、最適化を効果的に進めるために、遠心ファンの性能に支配的な影響を与える要素を特定します。結果的に、ハブとシュラウドの形状、翼のメタル角、翼のキャンバーとリーンを定義する20個のパラメータが選定されました。これらパラメータが、プロジェクトの成功の鍵を握っています。パラメータの各セットに対して、FINETm/Design3Dで新しいジオメトリを作成し、時間を短縮するために専用のPythonスクリプトを活用して、OMNISTm/Hexpressで非構造格子を生成しました。パラメータ化したら、FINETm/Design3Dで実験計画法(DOE)データベースをMinamoモジュールを活用して生成します。Minamoデータマイニングツールによる最適化は進化的アルゴリズムに基づいており、収束性を高めるためにサロゲートモデルを採用しています。70のサンプルのデータベースを構築し、3つの流速(ストール,設計点付近,チョーク)における計210のCFD結果で設計空間を網羅しました。各CFDの初期化を改善するために、グリッド間補間を適用することで、反復回数(CPU時間)を25%削減することができました。データベースを詳しく分析した結果、エンジニアリングチームは、各パラメータの性能への影響を把握することに成功ました。ファンの性能を最適化する際には、ボリュートが主なリミッターとなっていることが判明しました。そこで、部品を分離してインペラを個別に最適化し、最適化のサンプルで観測された圧力損失を最小化する新しいボリュートを設計する作業に着手しました。

FIGURE 3 : ある動作点におけるボリュート再設計前後の速度コンターの比較

最適化その2:インペラ

それから、ボリュートから切り離されたインペラ,ZRエフェクト,固体壁に焦点を当てました。AutogridTmとFINETm/Turboを使用することで、大規模なデータベース作成と最適化をデスクトップマシンで簡単に実行することができる上、プロセスはPythonスクリプトで完全に自動化されます。新しい最適なインペラが得られたら、これを再設計されたボリュートを組み合わせ、ファン全体の性能を計算します。

FIGURE 4 : 最適化前のプロペラ形状(赤)と最適化後のプロペラ形状(グレー)の比較


結論


試みは成功しました。2部構成の最適化プロジェクトによって、Illinois Blower社は当初の設計上の制約を維持しつつ、ファンの性能を全体で最大44%向上させることに成功しました。インペラの形状とチャネルの最適化により、いくつかの動作点(チョーク付近)で静圧が最大20%上昇しました。さらに、ボリュートのスクロール下流の流れによる圧力損失の理解を深めたことで、ボリュートのスマートな再設計をすることができ、性能曲線全体で圧力がさらに上昇し、一部の動作点(チョーク付近)では最大24%まで上昇しました。

この記事に関するお問合せは、cdsj_info@cadence.com までお願いいたします。

Author:AnneMarie CFD

Translator: Daishi Ishii

このブログの英語版はこちらより

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