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OMNIS - 今日と明日のマルチフィジックスシミュレーションの課題への対処 - 自動車にフォーカス

19 Nov 2021 • Less than one minute read

 自動車業界では、外部空力特性から騒音の低減、熱管理、内燃機関など、車両のあらゆる部分の設計や最適化の過程でCFDツールを使用しています。多くの場合、設計プロセス中で上記のすべてを組み合わせて、システムとしての車両を最適化するために、バーチャルプロトタイプと呼ばれるものを作成します。しかし、各なアプリケーションの物理的背景は非常に異なっていることが多く、それぞれのアプリケーションに専用の技術が必要となります。その結果、設計者、科学者、エンジニアは、異なるインターフェース(GUI)、データのセットアップ、構造、フォーマットを持つ多数の様々なCAEコードやソフトウェアツールを使用していることが多く、それぞれが特定の分野に特化しているため、それらの間の接続がないか、もしくは上手くいかないのが実情です。このようなユーザーにとっては、CAEワークフロー全体をよりグローバルなアプローチで捉え、複合的な設計と最適化のループを実現することが絶対に必要になっています。

そこで登場するのがケイデンスのOmnisです:シミュレーションプロセスの各ステップを迅速かつ効率的に解決するための専用ツールを備えたエンドツーエンドのCAE環境です。Omnisは、設計から結果解析までのCAEワークフロー全体にグローバルなアプローチを提供し、非常に洗練されたユーザーインターフェースを介してユーザーが操作することも、Python APIを用いて自動的に制御することも、さらには最適化モジュールによって制御することもできます。統一されたユーザーインターフェースは、ユーザーの学習プロセスを軽減し、一貫したデータ構造は、ファイル変換の遅延や厄介な破損エラーを回避します。独自のOmnisフレームワークにより、1つのワークフローの中でツール同士の通信が可能となり、また、複数のソルバーにより、あらゆる流体/音響の問題を解決するための幅広い技術にアクセスでき、さらに、APIを介してインハウスまたはオープンソースのソルバーやツールをプラグインできるという柔軟性も備えています。

この記事では、幅広いCFD技術を持つOmnisが、自動車設計における最も複雑な流体の流れの課題を解決すると同時に、完全に合理化されたeasy-to-useコラボレーティブワークフローの中で、エンジニアリングと解析の時間を短縮している様子を紹介しています。図1の例では、アンダーフードの熱管理、外部空力、パワートレイン、音響、ターボチャージャーのようなアンダーフードのコンポーネントなど、さまざまな問題を示しています。各問題には、それぞれ異なる課題があります。

物理的な取り扱いが異なり、異なる部門が関与し、スループット時間に厳しい制約があります。Omnisはその全てに応えます。

シミュレーションの準備

シミュレーションを成功させるための設定は、シミュレーション用のジオメトリモデルの準備から始まります。Omnisでは直接デザインを作成するだけでなく、ACIS、IGES、STEP、STL、Parasolid、CATIA、Pro/ENGINEER、またはSolidEdgeなどの一般的なファイルフォーマットを直接開いて、外部のジオメトリをインポートすることができます。

Omnisでは、シミュレーションの過程でジオメトリが保存され、モジュール間のロスレス転送と解析の一貫性が確保されます。初期設計の信頼性を最大限に確保するため、Omnisのデータ構造はCADデータを直接指し示します。すべての材料、物理、数値のプロパティは、CADモデルのエンティティにリンクされています。同一のCADネーミングと階層は、シミュレーションのセットアップの一貫性を保証し、自動化されたワークフローの中でユーザーの入力を最小限にします。

製造レベルのジオメトリには、ギャップ、干渉、ファスナー、非常に小さな機構が含まれることがあります。これらの機構は、製造には必要ですが、シミュレーションには不要な複雑さをもたらします。そこで、可能な限り自動化された方法でシミュレーション用のジオメトリを準備するために、編集設計ツールが必要になります。

特に、時間のかかる作業としては、自動車のドアと車室の間の隙間や、ターボチャージャーのボリュートの2つのパーツを結合するスクリューボルトを外した後に残る穴など、位相的な穴や隙間を塞ぐことが挙げられます。この点において、革新的なAutoSealは、他の標準的な編集・修復形状ツールを凌駕しています。

非水密、非コンフォーマルな任意のジオメトリをワンクリックで修復し、エンジニアリングに要する時間を数日から数時間に短縮することが可能になりました。例えば、ホンダの報告によると、以前は熟練したエンジニアがキャビンスペースのすべての穴を塞ぐのに、通常、丸1週間を必要としていました。しかし、AutoSealを使えば、このプロセス全体がわずか1時間程度に短縮されます。

プリ処理

 メッシュ生成技術は、サイズ、形状、複雑さ、扱う問題の種類によって大きく異なるため、すべてのアプリケーションの要求を満たす単一のメッシュ生成技術は、現在も、また近い将来も存在しないと思われます。そのため、メッシュ生成技術を組み合わせることで解決することになります。Omnisのメッシュ生成戦略は、すべてのメッシュ生成技術を最大限に活用することと、計算領域内で最も適切なものを組み合わせることの2つです。非構造格子生成は、複雑な形状により適性があります。柔軟性という点では、Omnis/Hexpressのユーザーは、ハンギングノードを用いた完全な六面体メッシュ、または混合要素のコンフォーマルメッシュ、”あまりきれいではない”ジオメトリに対応したV2Sアプローチ、またはS2Vアプローチ、インフレーション、変形または押し出しによる境界層の挿入などを選択することができます。例えば、ホンダのエンジニアは、アンダーフードのCFD空力・熱計:ラジエータファン、エンジンベイや周辺機器の周りの流れ、排気システムなどを解析しています。そのプリ処理段階では、以前は時間がかかり、煩雑な作業を強いられていました。Omnis/Hexpressに切り替えたところ、CPUの使用時間を3倍にすることができ、数週間かかっていたエンジニアリング時間が30分/メッシュに短縮されました。


"ホンダのエンジニアは、アンダーフードの空力・熱計算を行っています。彼らのプリ処理段階は、かつては時間を要し、煩雑でした。Omnis/Hexpressに切り替えたところ、CPUの使用時間を3倍にすることができ、エンジニアリング時間が数週間から30分/メッシュに短縮されました”


マルチブロックの構造格子を完全に自動生成することは、優れたメッシュ品質とセル数の削減という点で、長年の目標でした。AutoGrid5は、この分野において、推進、エネルギー、エンジンの各業界で世界的に認められています。ウィザードベースのアプリケーション専用ワークフローにより、ユーザーは数回のクリックで1億個以上の高品質なセルを数分で生成し、幅広いターボ機械のアプリケーションに対応することができます。

Omnisは、翼部の高品質な構造格子と、ボリュート部の完全な六面体の非構造格子を組み合わせることで、100万ノード、1コアあたり、通常30分から2時間でフローソルバーを収束させることができます(図5)。フォード社は、12個のコアを使用して、3~4の動作条件での新設計の空力解析を2時間で行うことができると証言しています。標準的な商用ソルバーでは、この作業に丸1日要することを考えると、驚くべき結果です。


“フォードは、12個のコアを使用して、3-4の動作条件で新しいデザインの空力解析を2時間で行うことができると宣言しています。この作業に丸一日かかる標準的な商用ソルバーと比べると、素晴らしい結果です。"


多彩なソルバーテクノロジー

現在、複雑なエンジニアリングシミュレーションのタスクを解決するために、複数のソルバーを使用することが一般的になっています。このようなアプローチは、マルチフィジックスシミュレーションに広く用いられ、特定の物理現象用に設計されたソルバーを組み合わせて、異なる物理現象が解析対象の形状の全体的な挙動に与える影響や相互作用を解析します。流体-構造連成シミュレーションから、空力音響解析、多相流や多成分流などの様々な複雑な流れの物理学、さらには最適化フレームワークへの接続まで、幅広く対応しています。Omnisは、Omnis/Turbo、Omnis/Open、FINE/Marine、FINE/Acoustics、FINE/FSI-Oofelieなどの強力なソルバーに加え、外部のオープンソースのツールやソルバーへのPython APIを提供しています。

例えば自動車の外板空力では、設計性能を左右する抗力と揚力をいかに正確に予測するかが大きなポイントになります。これらのシミュレーションはしばしば重くなりますが、数値アルゴリズムは効率的で検証されたものでなければならず、シミュレーションのワークフローはロバストでユーザーに依存しないものでなければなりません。これらの目的を達成するために、Omnis/Openは、最適なメッシュ、最大のスピードとロバスト性のためにプリセットされた数値および物理的な設定、そしてユーザーの介入を限りなくゼロに近づけた自動車用エアロダイナミクスのテンプレートを提供します。

ターボチャージャーやウォーターポンプなどの回転機械の周辺機器は、前節で紹介したOmnis/Turboを使った構造格子のアプローチから大きな恩恵を受けることができ、市場にある他の技術と比較して10倍から20倍のスピードと精度の恩恵を受けることができます。CPUとGPUを組み合わせたHPCの力を利用すれば、スピード面での優位性はさらに高まります。遠心式圧縮機では、さらに3~5倍のスピードアップが得られます。

一方、ギアボックスの潤滑解析では、可動部品やbody-to-body接触があるため、従来のフローソルバーでは対応できませんでした。Omnis/LBは、複雑な形状をメゾスコピックスケールで扱うことができ、メッシュの設定や微調整の負担がありません。このソリューションはLES-levelの表現を提供し、水しぶき、水滴、スロッシングなどの複雑な現象を捉えることができます。

また、Omnisはオープンアーキテクチャを採用しているため、強力なSolver Plugin APIに基づいて社内のソルバーを統合することもできます。C/C++、Python、またはFortranのAPIは、すべてのビルディングブロックを提供し、それらを組み合わせて外部ソルバーを結合し、上記のすべての機能にアクセスできるようにします。

デザインの探求

1つのシナリオを実行することは、多くの場合、シミュレーションプロセスの最初のステップに過ぎません。多くの場合、エンジニアは設計の代替案を検討し、その結果を比較したいと考えています。Omnisには、設計を変えるための複数のオプションが用意されています。これらは、Omnis双方向CADゲートウェイによりCADシステムからパラメトリックにインポートしたり、回転機械用パラメトリックブレードモデラー Omnis Agileで生成したり、図8に示すようにOMNISモーフィングツールで元の形状から変形させたりすることができます。

この記事に関するお問合せは、cdsj_info@cadence.com までお願いいたします。

Author:AnneMarie CFD

Translator: Norikazu Takada

このブログの英語版は こちら より

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