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デザインの階層化 - 善か悪か?

27 Apr 2023 • Less than one minute read

By Girish Vaidyanathan, Sr. Product Manager, Virtuoso Studio, Cadence

類似したデザイン構成に対して、分割してグループ化をすることで、設計者は大規模データをより早く・簡単に把握することができます。また、このようなグループに対して命名規則を用いることで、必要な情報に対して容易にアクセスすることができます。回路設計者は、このような考え方を設計データの管理に利用しています。

大きなサブシステムを機能ベースにブロック分割するのも同じ目的です。回路設計者は、ロジカルビュー上でその分割を行います。各ブロック内でさらにパーティショニングを行うことで、電子回路やシステム設計の早い段階から行われてきた「階層設計」のコンセプトにつながります。設計者は、繰り返し利用される構成部分を特定し、小規模なサブブロックにグループ化する事でサブブロックの設計工数を短縮し、また再利用可能とする事で階層設計の恩恵を受ける事ができます。

設計が全て手作業で行われていた時代には、再利用率を増やすために階層設計が可能な限り利用されていました。しかし、デジタルシステムが大規模化し、設計や実装を最適化するツールがより高性能になるにつれ、階層設計が役割を果たす場面は、デバック時に設計者が手動で設計を行うRTLレベルのみとなりました。

レイアウトで階層化が重要でなくなった理由として以下が挙げられます。

  • ツール利用により作業修正が短縮化され、再利用が不要
  • 階層が無いことで、ツールへの制約が減り、高品質な結果を実現
  • 大規模デジタルデザインでの自動化ツールを利用したデバッグと比べ、フラットレイアウトでは結果の確認が容易

カスタムデザインでも同様のアプローチをする時代が来たのでしょうか?

自動配置配線

カスタムブロックは、デジタルブロックほどには普及していませんが、それを実現するためのツールは、この30年で確実に進化しています。先端プロセスノードでは、設計制約により、デザインルールが複雑になるため、グリッドベースやRowベースのレイアウト手法に切り替わっています。インスタンスや配線を自動的にグリッドにスナップすることで、カスタムレイアウト生成の高速化を実現しました。Rowベースのレイアウト構成では、自動的に空きスペースを埋めることが可能になり、デバイスレベルのレイアウトでもdensityルールへの対応が可能になりました。

グリッドレイアウトの手法は、自動配置配線の問題も解決しています。この自動配置配線は、レイアウトがより構造化され、トラック上で配線が行われるようになることで、良い結果を生み出します。今日、制約ベースの自動化環境を利用することで、テープアウトの品質やDRC補正、マッチング、シンメトリックなアナログとカスタムデジタルのレイアウトを生成することが可能です。レイアウト設計者は、ツールを使用する上で、適切な物理的制約を選択することができます。Cadence Virtuoso StudioのAutomatic P&Rフローは、多様な個別機能やエンジンをシームレスに統合し、様々なデザインスタイルのレイアウト作成に対応するカスタマイズ可能なフローを提供します。ツールは制約を利用してレイアウトを再生成できるため、小さなサブセルを再利用するためにレイアウトを分割する必要はもはやありません。それでも、自動化後のレイアウトの確認やデバッグの実行、また再試行のための制約作成や更新を行うために、まだ多くのカスタムレイアウト設計者が必要です。

同時並行レイアウト編集

今までのデータベースと同様に、OpenAccessでも1つのデザインはディスク上に1つのファイルとして保存され、一度に1人しか編集できないという制約を持っています。このファイルは、レイアウトエディターで最初にデザインを開いた人によりロックされます。そのため、大規模なカスタムレイアウトを自動化ツールでフラットに実装できても、複数の設計者によるレビューや修正が難しいという課題がありました。

Virtuoso Studio の一部である Virtuoso Layout Suiteの同時レイアウト編集機能は、この問題を容易に解決します。レイアウトはブロックオーナーによって複数のパーティションに分割され、異なる設計者に割り当てることができます。設計者は、他の設計者の作業を中断させることなく、自分のパーティションを開いて編集することができます。また、他のパーティションを確認し、必要に応じて変更点を取り込むことができます。ブロックオーナーは、各設計者が担当するパーティションに加えられた変更内容を確認し、元のレイアウトに反映させることができます。また、ブロックオーナーは、いくつかの編集を取り下げ、その変更を受け入れる際の課題について、そのパーティションの担当者に知らせることもできます。

デザインプランニング

レイアウト階層は不要ですが、パーティショニングはその重要な役割を持っています。カスタムレイアウトでは、回路内のあるパーツは他から慎重に保護され、またマッチングをよくするために、あるパーツは一緒に配置する必要があります。回路設計者は、デザインの論理表現を回路図やネットリストとして手作業で作成するため、デザインの階層化は避けることができません。しかし、レイアウトでは、構成するパーツを論理的な階層にまとめるよりも、効率よく実装する方法があります。レイアウトを手作業で行う場合、設計者は論理的な階層と物理的な階層の一致を気にする必要はありません。 代わりに、レイアウト内で階層設計を行い、LVSを実行することでレイアウトと回路が一致することを確認します。実際、回路設計フローにおけるLVSツールの重要性は、論理的階層と物理的階層のミスマッチを検出する為に利用されています。

論理設計と物理設計の階層が完全に一致することを目的とした設計では、Virtuoso Layout Suiteのスケマティックドリブンレイアウトでのチェックにより、常にLVSの正しいデザインを維持しながら設計することができます。

この問題に対する正しいソリューションは何でしょうか?

Virtuoso Layout Suiteの仮想階層コンセプトにより、レイアウト設計者は、回路図と異なるレイアウトのデバイスグループを作成しても、スケマティックドリブンレイアウトとしての関係を維持することができます。仮想階層を利用することで、レイアウト設計者はデザインを分割してグループやサブグループを作成し、隔離する必要があるレイアウトを分離することができます。OpenAccessデータベースの観点からは、レイアウトのセルビューは1つしかないため、レイアウトは依然としてフラットです。仮想階層は、レイアウト実装プロセスにおいて自動化ツールに有用です。

まとめ

仮想階層では、レイアウト設計者は論理的な階層設計とは異なる階層設計を選択することが可能です。またレイアウトは、自動化が実行できるよう、必要に応じてレイアウトの構成を分割することができます。レイアウトを1つのセルビューとして保持することで、スケマティックドリブンレイアウトの対応関係を維持し、LVSに準拠した設計が可能です。設計者がレイアウトを分割しすぎないため、自動配置配線ツールは、設計者が設定した全ての制約を満たす最適化されたレイアウトを生成するために、多くの選択肢を持つことができます。 Rowベースの設計手法は、品質結果とツールのランタイムを向上することが可能です。

レイアウトの同時編集は、同じレイアウトの異なる部分の作業を複数の設計者へ同時に割り当てられるため、レイアウトのレビュー、デバッグ、編集の問題を解決することができます。ブロックオーナーは、レイアウトをレビューし、変更依頼を行うために、チームメンバー内で経験の浅いメンバーも割り当てることができます。最終的には、ブロックオーナーは、さまざまな設計者が行った作業を、スムーズに元のレイアウトに反映させることができます。

Virtuoso StudioとVirtuoso Layout Suiteの詳細についてはこちらをご覧ください。

Translator: Kosuke Matsui

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