• Skip to main content
  • Skip to search
  • Skip to footer
Cadence Home
  • This search text may be transcribed, used, stored, or accessed by our third-party service providers per our Cookie Policy and Privacy Policy.

  1. Blogs
  2. PCB設計/ICパッケージ設計
  3. BoardSurfers: 17.4-2019に追加されたダイナミックシェイプの 'Fast' モードは本当に早い…
SPB Japan
SPB Japan

Community Member

Blog Activity
Options
  • Subscribe by email
  • More
  • Cancel
PCB
17.4
PCB Editor
17.4-2019
japanese blog
Allegro PCB Editor

BoardSurfers: 17.4-2019に追加されたダイナミックシェイプの 'Fast' モードは本当に早い!

28 Feb 2021 • Less than one minute read

 私は Allegro® PCB design のソフトウェアのテストを20年間担当していますが、あごがはずれるほどびっくりする機能をテストすることが時々あります。今年、新しいFast シェイプモードについて私はそんな驚きを体験し、これは皆さんに伝えなくては、と感じました。なぜなら、ポジティブシェイプを扱う作業を大きく変える、パフォーマンスとシェイプ表示クォリティの両面において画期的な機能だからです。

エッチシェイプの数が増え、あるいはポジティブシェイプの増加に伴ってデータベースが肥大化するにつれて、ビアや部品の移動やエッチ編集がシェイプやボイドに影響する場面での処理速度は遅くなっていきます。

グランドフィルはポジティブレイヤーにおいては一般的な手法ですが、それは数多くの複雑なボイドやシェイプアウトラインが存在することを意味します。Smooth モードでは、シェイプやボイドの輪郭が変更されるような編集が行われると、シェイプやボイドの整合をチェックしてセグメントを調整するためにシェイプ全体や大部分が再生成される可能性が生じます。これが、Smoothモードでエッチ編集や部品の配置調整を行おうとしたときにサクサク動かなくなる(あるいは恐ろしく遅くなる)要因です。

こちらはGlobal Dynamic Shape Parameters の(October 2020 までのバージョンの)フォームです。:

そしてこちらは、17.4-2019 QIR2 (HotFix 013) (December 2020 以降のバージョン)を使った時のGlobal Dynamic Shape Parameter フォームです。:

Dynamic fillの Rough モードが Fast モードに置き換えられていることに注目してください。

Fast Modeに何を期待すべきか

一つは、編集に際しての指数関数的なパフォーマンスの向上と、感覚面での全体的な改良です。私の環境では編集時のCPU時間が測定できるので、実際に測定を行い、応答時間がデータベースとシェイプの複雑さに応じて1.5倍、2倍から30倍ほども改善されているという測定結果を得ました。それはすべて、データベース、シェイプ形状の複雑さ、あるいは編集で触れたシェイプの数によって異なります。

このモードによる感覚的な面での改良については、計測することはできません。私の経験では、複雑なシェイプを持つあらゆるボードデータにおいて、リアルタイムでの編集がこれまでよりも迅速に行えるようになりました。元々はこのモードは編集中に数秒の待ち時間が生じてしまうような大きなデータをターゲットとして追加されましたが、大規模データに限らずほぼすべてのデータでその効果が感じられます。編集先のクリックと同時にシェイプが更新される様子が目視で確認でき、それはまるで、私がマウスを動かすより前にシステムが次のクリックに備えているかのようにさえ思えます。Smoothモードだと一点のピックから次の点のピックまでに数秒待つことになるような大規模ボードにおいて、Fastモードではそれが一瞬または1秒未満です。従来であればシェイプの更新を無効化しておかないと編集に耐えなかったようなかなり大規模なボードであっても、Fastモードであればシェイプを随時更新しながらの編集が可能となります。

表示とシェイプ品質について

編集作業によりシェイプの輪郭の更新が必要になる場面で、このモードではすべてのセグメントをアートワーク出力可能なレベルに更新するのではなく、編集が施された領域のみを更新します。更新に際し、"アートワーク対応レベル" とするのに必要なプロセスは実行されません。このため、300セグメントで構成される複雑なボイドであっても、300セグメントすべての更新が終わるまで待つ必要がないのです! ラインのスライドによって一つのボイドの中の5セグメントが影響を受けるのであれば、その5セグメントのみが再生成されます。

全ての意図と目的に適うように、(Roughモードとは異なり)Smoothシェイプと同等レベルでの表示、緻密なウェビング、正しいサーマル接続が実現できます。

以下の2つの例はSmoothとFastでの違いを示しています。Fastモードでビアをスライドさせたところ、10個のセグメントと6個の円弧から形成されるボイドが更新されました:

Smoothモードで同じアクションを実行すると、SmoothとTrimのすべてのコードが実行され、ボイドは10l個のセグメントと4個の円弧で再生成されます:

Smoothモードのボイドは製造に適した状態になっていますが、よほど気をつけて見てみない限り、ボードの編集作業中に差異を見つけ出すのは難しいでしょう。

こちらは、モード間の違いを示した別の図です。塗りつぶしは、最終的なシェイプに必要な滑らかな円弧ではなく、小さなセグメントで再生成されています。左側がFast、右側がSmoothです:

繰り返しますが、作業セッション中に生じるこのような小さな差異は、より迅速な作業を実現するための簡単なトレードオフです。

注目すべきその他の違い

Fastモードで更新されたシェイプはすべて、Out of Dateの扱いになります。ですが、正直なところ、それを誰が気にするでしょうか? あなたは慌ただしく編集を行っている中で、正しいサーマル接続を持つ正しい輪郭のシェイプを見たいのですよね? そして、それこそが、この機能がもたらすものなのです。

きっとあなたはこう言うでしょう。“良さそうじゃないか!じゃあ、Fastモードをオンにして、ずっとそのままにしておいたらいいんじゃないか?” と。

私は、シェイプパラメータをFastモードに設定してセッションを開始することをお勧めします。作業前にすべてのシェイプをFastに更新する必要はありません。シェイプはタッチされればすぐに変換されます。

あなたは一日中、あるいは一週間を通してFastモードで作業することができます。

ただし、長い編集セッション中、一つのシェイプの同じエリアが何度も更新されるような状況では、上の図よりも大きな塗りつぶしの欠落が発生する場合があります。この時にはどうしたらよいでしょうか?Statusフォームを開き、Shape パラメータセクションでUpdate Allボタンをクリックします。Fastモードに設定された状態であれば、完了するのにそれほど時間はかかりません。

私なら、デザインサイクルの中の一定のタイミング、あるいは製造用アウトプットの準備ができたタイミングで、Update to Smoothを実行し、DRCを流します。

最終的な考察

この機能は何にでも効く万能の秘策ではありません。エッチ編集や配置の変更の際のパフォーマンス向上を目的としています。一部のコマンド(Auto-Interactive Delay Tuningなど)では、実行時にシェイプをSmoothに変換するため、この機能による速度の向上は見込めません。また、以下の点をご理解ください

  • DBdoctorは、シェイプがFastのステータスであっても正確に動作します
  • DRCはFastモードへのシェイプ変換によりout of dateのマークをすることはありません。
  • Artwork、stream out、ODB++、IPC2581はOut of dateのシェイプがある状態での出力は行いません。従って、ファブリケーション用データの準備に際して見落としによるミスを心配する必要ありません。

最後に、データを17.2リビジョンに保つ必要がある場合は、リリース17.4-2019をインストールし、環境変数database_compatibility_modeの値を 17.2 に設定することで、Fastモードのパフォーマンスを利用できます。

 

さぁ、何か他に待つべき理由がありますか?最新の17.4を試し、違いを是非とも体感してください!

この記事に関するお問合せは、cdsj_info@cadence.comまでお願いいたします。

Author:BarbS
Translator: Ikue Yoshizaki

このブログの英語版はこちらより

© 2025 Cadence Design Systems, Inc. All Rights Reserved.

  • Terms of Use
  • Privacy
  • Cookie Policy
  • US Trademarks
  • Do Not Sell or Share My Personal Information