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Cadence Optimality AI により最大の問題(=人手の作業)を解決

9 Feb 2023 • Less than one minute read

Cadenceで行っている開発の核心部分は、一つの避けられない真実から来ています : シリコン チップの設計と製造はますます複雑に、時間がかかるようになり、そのためコストがかかるプロセスになっている、ということです。

そのプロセス内のステップすべてにおいて、判断すべきことがあります。プロセスの完了時にそのチップの性能を最大限効果的に実現し、且つ、コストのかかるミスを回避するために、この段階でどれだけの時間や費用を投じるべきだろうか?

そして、初めて動かすデザインを実現するとき、正確な電磁界(EM)シミュレーションは重要なステップとなります。しかし、それにはとても多くの時間がかかります ― そこで我々は、従来の3Dフィールド・ソルバよりも最大で10倍高速なパフォーマンスを提供するCadence Clarity 3D Solverソフトウェアを開発し、複雑なEMの課題に迅速に取り組むことができるようにしました。

大規模分散クラウド技術、並列処理技術、コードの最適化、革新的なメッシュ生成ソフトウェア、といった技術を利用することにより、電磁界シミュレーションの設計と実行のプロセスをかつてないほど高速化し、設計プロセスの早い段階で壊滅的な電磁干渉問題を軽減することが可能になりました。

しかしながら、結局のところ、我々が可能な限りのボトルネックをシステム自体から取り除いても、それで十分ではありません。我々のお客様は個々のシミュレーションについては非常に高速に実行できるようになりましたが、それは、本質的にプロセスの最終段階でより最適化されたデザインを得ることを意味するものではありませんでした。

とても人間的な問題

問題点はどこにあるのでしょう?このプロセスは、依然として人間の直感と関与に大きく依存しています。各シミュレーションの結果や、パラメータを特定・調整するための手順には、熟練した人間のオペレーターが必要です。

そのため、最終的に実行できるシミュレーションの数が制限されます。例えば、制御可能なパラメータが10個あり、それぞれのパラメータが10通りの値を持つ設計シミュレーションを想像してみましょう。この設計をこれ以上改善できなくなるまで最適化するには、すべての可能なシナリオをシミュレーションし、各パラメーターから最適な値の組み合わせを特定する必要があります。

しかし、1010のシミュレーションとはすなわち、100億回のシミュレーション です。

もちろん、これでは何十年もかかってしまいます。そこで、その代わりにエンジニアは最適に近いと思われる値を選び出して数回分のシミュレーションを行い、結果を確認し、解析を行い、パラメータ値を調整した後にまたシミュレーションを行います。

これを何度か繰り返した後には、必然的に「このまま時間とコストをかけて最適化を続けるか」「最適であることを宣言して生産に移行するか」の決断を下す時が来ます。もちろん、最終製品は良好に動作することでしょう。しかし、もしも無限の時間とより多くのシミュレーション実行をかけられたら実現できたはずのものほどには、良好ではないかもしれません。

AIがすべてを変える

これが、Cadence Optimality Intelligent System Explorerで解決しようとした問題点です。従来の最適化ワークフローにおける人間の関与を、設計内最適化が可能な人工知能(AI)アルゴリズムに置き換えることで、最終的にお客様が真に最適な設計を実現することができるのではないか?と考えたのです。

 

数年にわたるエンジニアの努力の結果、それは可能であることが判明しました。ケイデンスのJedAI(Joint Data and Analytics)プラットフォームで使用されている強化学習を使用すると、あらゆる規模や複雑さのシステムの最適設計を構成するための機械学習(ML)モデルを非常に迅速に構築することができます。強化学習は、集中的なトレーニングを必要としないため、望ましい方法です。Optimalityは、反復するたびに、アルゴリズムの精度をさらに高めて向上させるために使用するデータサンプルを増やしていきます。

その結果、人間のオペレーターが過去に最適化を宣言したものよりも、より早く、より効率的に、より少ないリスクで、より良い設計を実現することができるのです。Optimalityは、複数のシミュレーションを同時に行うことで、より迅速な意思決定を可能にします。このように時間が大幅に短縮されることは、市場投入までの時間が大幅に短縮されることを意味します。

あるテストでは、複雑なPCB設計の最適化において、人間の設計者とOptimalityのAIとが対戦しました。その結果、Optimalityはわずか34回の繰り返しで、人間の設計を大幅に上回る性能を持つ設計に到達することができました。

また、人間が行うシミュレーションは一度に1人か2人しかできませんが、Optimalityは超並列シミュレーションを実行、解析、再実行することができ、従来であればエンジニアでいっぱいの部屋を複数用意しなければいけないほどの処理を、ほとんど時間を空けずに行うことができます。

Optimality Intelligent System Explorerの今後の展開は?

Optimalityは、すでにClarity 3Dソルバーと高速シグナル&パワーインテグリティ(SI/PI)プラットフォームであるSigrity Xとに完全に統合されています。システムレベルのSI/PIシミュレーションと解析をOptimalityに任せることで、設計者はより迅速に最適な設計に到達することができ、設計のやり直しの必要性を減らし、市場投入までの時間全体を加速させることができるのです。

ClarityとSigrity XがOptimalityの機能によりお客様に素晴らしい成功をもたらしているのを見て、我々は、他のケイデンス製品の統合にも力を入れ始めました。まずは、ICから物理的な筐体までのエレクトリックシステムにおいて全階層に対応した業界初の電気-熱コ・シミュレーションソリューション、Celsius Thermal Solver製品から始めています。

これもまた、設計チームが設計の最適化をOptimality AIアルゴリズムに委ねることで、設計プロセスの早い段階で熱問題を迅速に検出・軽減し、真に最適な設計に到達するまでの反復時間を大幅に短縮できるようにするためのものです。

近々、当社のCFD製品であるFidelity CFDもOptimalityに統合して、実世界の物体の超並列シミュレーションを行うことで最適な設計をほとんど人手をかけることなく短時間で導き出すことを可能にする予定です。

Fidelity CFDをOptimalityに統合することは、特に自動車業界にとって大きな価値を持つことになるでしょう。自動車は、外部空力から内部快適性、パワートレイン効率まで、あらゆるパラメータにおいて微調整できる無限に近い可能性を秘めています。

更に我々は、Optimalityの技術をポストレイアウトからプリレイアウトの段階にまで拡張し、コンセプトから上流のデザイン初期段階を通じて、設計者に強力なAIの相棒を与える方法を探っています。これによって、デザインフローにもっと大きなインパクトを与えることができるようになるでしょう。

これはOptimalityの旅の始まりに過ぎませんが、我々は発売から数ヶ月の間に、システム解析の方法を変え、効率化を実現するOptimalityの力を示す多くのデモを見てきました。

つまり、シリコンチップからジャンボジェット機まで、あらゆるものの性能を可能な限り向上させるツールを作るという我々の当初のビジョンは、数回の繰り返しで実現できるのです。

Cadence Optimality Intelligent System Explorerの詳細と、AIドリブンのイン・デザイン最適化テクノロジを使用して従来よりはるかに最適化された設計を実現する方法については、こちら をご覧ください。

技術的な詳細、この記事に関するお問合せは、cdsj_info@cadence.com までお願いいたします。

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Author: Ben Gu

Translator: Ikue Yoshizaki

このブログの英語版は こちら より